相談事例~交通事故①~

交通事故に関する相談事例①

皆さまからお問い合わせが多い交通事故に関する法律問題をまとめてみました。なお,統計資料や法律改正等は,総務省統計局、法務省、警視庁、各警察署のホームページ等が参考になりますので,そちらをご参照ください。

※ただし、素材としている判例・事例等は必ずしも最新のものとは限りません。また、下記内容は一般的な内容にとどまりますので、個々の事案については当事務所は責任を負いません。ご使用は自己責任でお願いいたします。個々の事案に関する詳しい内容につきましては、当事務所までご相談ください。

■CASE1 交通事故に遭った~交通事故の被害者になったら?

先日、横断歩道を渡っていたら、交差点に進入してきた車に接触されました。数日後に、加害者の保険会社の担当者から連絡がきました。今後の対応について、どうしたらよいか教えてください。

A 損害賠償請求の準備をしておく必要があります。

そろえておくべき主な書類として、

①交通事故証明書

②診断書

③診療報酬明細書

④休業証明書、給与明細等の所得証明書類

などが挙げられます。また、後遺障害に該当する場合には、後遺障害診断書も上記に加えて必要となります。

今回のCASEのように、加害者の保険会社の担当者から連絡がきたような場合には、担当者から説明がありますし、対応してくれます。

仮に、加害者が任意保険に未加入であった場合には、直接、自賠責保険に請求することになりますが、保険会社の支店等に行けば請求するための書類一式を交付してくれますし、連絡すれば書類一式を郵送してくれることもあります。

交通事故というものは、気を付けていてもある日突然巻き込まれてしまうことがあります。日頃から念頭に入れておいて頂きたい、事故直後の現場での対応の仕方を述べておきます。

不幸にも交通事故に遭われた場合、まずは、加害者に対し運転免許証の呈示を求め、氏名と住所等を確認し、電話番号等の連絡先も必ず確認しましょう。

仮に、加害者が免許証の呈示に応じなかったり、連絡先を教えてくれないような場合には、車のナンバーを控えておくとよいでしょう。

そして、警察への届け出は必ず行うようにしてください。加害者が「自分が全責任を負うから警察には連絡しないでほしい」と懇願しても、警察への届け出は速やかに行っておきましょう。後日、損害賠償請求をする必要が出てきた際、事故態様等の立証が困難になってしまい、適正な損害賠償を受けられなくなる恐れがあります。

■CASE2 交通事故を起こしたら~交通事故の加害者になったら?

私は車をよく運転するのですが、これまでずっと無事故です。しかし、ハンドルを握る以上、たまにヒヤッとする場面に遭遇してしまうことがあります。もし交通事故を起こしてしまった場合、どう対応したらよいのでしょうか?

A まず、警察へ通報し、事故内容の報告を行ってください。けが人が発生した場合、救急車も速やかに呼びましょう。

また、二次被害を防ぐためにも、後続車両に対し危険を知らせる必要がある場合には、標識を設置するなどの措置もとりましょう。

被害者に対しては、運転免許証を呈示し、自分の氏名と住所を確認させ、電話番号などの連絡先も伝えましょう。

被害者には誠実に対応することが一番重要ですが、被害者から「事故の責任は全部自分にあると認めなさい」などと、そういった内容の書面や念書を作成するよう要求されても、その場では断った方が良いでしょう。このような要求をされることは決して少なくありません。こういった書面を作成してしまうと、後日、適正な損害賠償額の算定に支障が生じかねません。

被害者との間で適正な損害賠償額を算定するためにも、事故現場では「誠実に対応いたします」と述べ、取り乱さず、落ち着いて対応しましょう。

事故を起こしてしまうと被害者の人生を狂わせることとなり、下記のCASE3のように様々な責任を負うことになりますので、車を運転する際は、くれぐれも注意するようにして頂きたいと存じます。

 

■CASE3 交通事故の加害者の責任

先日、車を運転していたところ、横断歩道上の歩行者に接触してしまいました。私はどのような責任を負うことになるのでしょうか。

A 交通事故を起こしてしまった人の責任としては、

①刑事上の責任

②民事上の責任

③行政上の責任

の3つが挙げられます。

①刑事上の責任としては、道路交通法違反の罪のほか、自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)、危険運転過失致死傷罪(刑法208条の2)が考えられます。

②民事上の責任としては、民法上の不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)、自賠法に基づく運行供用者責任(自賠法3条)が挙げられます。

③行政上の責任としては、道路交通法に違反している場合には、反則金が課されたり、公安委員会から免許停止、あるいは免許取消の処分を受けることがあります。

以上の3つの責任のうち、①刑事上の責任と②民事上の責任は、加害者の刑罰と被害者への損害賠償(示談)という点で、非常に密接な関係にあります。

【刑法211条2項】 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。


【刑法208条の2】 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。

 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

【民法709条】 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

【自動車損害賠償保障法3条】 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

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