相談事例~交通事故②

交通事故に関する相談事例②

皆さまからお問い合わせが多い交通事故に関する法律問題をまとめてみました。なお,統計資料や法律改正等は,総務省統計局、法務省、警視庁、各警察署のホームページ等が参考になりますので,そちらをご参照ください。

※ただし、素材としている判例・事例等は必ずしも最新のものとは限りません。また、下記内容は一般的な内容にとどまりますので、個々の事案については当事務所は責任を負いません。ご使用は自己責任でお願いいたします。個々の事案に関する詳しい内容につきましては、当事務所までご相談ください。

■CASE1 傷害事故~請求できる損害の範囲は?

先日、横断歩道を渡っていたら、赤信号を無視して交差点を直進してきた車にはねられ、重傷を負いました。2か月入院し、今は通院中です。これから加害者に対し、どのような請求ができるか、教えてください。

A 傷害事故、いわゆる人身事故に遭った場合、被害者は加害者に対し、

①治療費

②交通費

③入院雑費

④付添看護費

⑤傷害慰謝料

などの請求ができます。さらに、休業損害も請求できますし、後遺障害に該当する場合には、後遺障害慰謝料、後遺障害遺失利益も上記に加えて請求できます。

今回のCASEのように、入院と通院を余儀なくされた場合、治療費をはじめ、病院に通院するためにかかった費用も交通費として請求することができます。基本的には電車やバスなどの交通機関が交通費として請求できますが、タクシー代については認否が分かれるところです。

また、症状が重度で通院に付添人を必要とした場合には、付添人の交通費も併せて請求することが可能です。

付添看護費については、職業付添人を必要とした場合に、実際にかかった費用を請求することが認められます。近親者付添の看護費については、付添の必要性などの条件を満たせば請求が認められます。

傷害慰謝料とは、事故によって傷害を負い精神的に損害を被った者が請求できる金銭のことです。事故に遭われてどれだけの精神的ダメージを受けるかは人によってそれぞれですが、原則として、入院や通院の日数や期間を基にして算出されることになります。また、傷害の程度、部位等によっては、基準の2~3割程度増額されることもあります。

 

 

■CASE2 物損事故~請求できる損害の範囲は?

先日、車を運転中に、わき見運転をしていた車と衝突してしまいました。幸いケガはなかったのですが、私の車が破損しました。どのような請求ができますか?

A 交通事故のうち、いわゆる物損事故に遭った場合、被害者は加害者に対し、

①車両の修理費

②レッカー代

③代車使用料

などを請求することができます。また、車両を営業のために使用していたような場合には、休車損害も併せて請求することが可能です。

今回のCASEのように、車両を破損された場合、車両の修理費の請求ができます。

ただし、修理費は無制限に認められるわけではありませんので注意が必要です。修理費よりも、本件車両の時価と買替えのためにかかる費用(登録費用、車庫証明、取得税等)を足した金額の方が低い場合には、修理費の請求は認められません。

言い換えれば、修理するよりも買替えた方が安く済むという場合には、修理費の請求は認められないことになります。この場合、買替差額(=車両の時価+買替えのための諸費用-事故車両の売却価格)の請求しか認められません。

また、物損事故の場合にも、人身事故と同様に、愛車が破損し精神的な損害を被ったとして慰謝料の請求が認められないかというご相談もよくお見受けしますが、通常、物損事故の場合には慰謝料の請求は認められていません。ご自分の車にとても愛着があったとしても、慰謝料の請求が認められる可能性は極めて低いというのが実情です。

 

■CASE3 休業損害について~専業主婦でも貰えるの?

交通事故の被害に遭って仕事を休まなければならなくなった場合には、休業損害ということで補償されると聞きました。私は専業主婦ですが、休業損害は就業中の人しか請求できないのでしょうか?

A 専業主婦であったとしても、休業損害が認められます。

以前は、専業主婦は現実に収入を得て家事労働に従事しているわけではないので休業損害は認められないといった考え方もあったのですが、現在では認められるようになっています。

そもそも、休業損害とは、交通事故に遭い傷害を負ったことで休業せざるを得なくなり、それが原因で生じた損害のことを言います。これには、休業だけでなく、遅刻、早退、労働能力の低下によって生じた収入減も含まれます。

一般的に、事故前の収入×休業した期間=休業損害というように算出されます。

では、今回のCASEのような専業主婦の方の場合は、どのように休業損害を算出したらよいのでしょうか?

これについては、賃金センサスという最も規模の大きい賃金調査での女性の全年齢の平均賃金に依って、基礎となる収入を算定します。この基礎となる収入に休業期間を乗じて休業損害を算出します。

専業主婦の休業期間を厳密に証明することは困難であり、問題となります。これについては、傷害の程度、部位、入院と通院の期間等をそれぞれ総合的に考慮して判断することになります。

ただし、一人暮らしの無職の方については休業損害は認められません。たとえ家事をしていても、それは自己のためであり、専業主婦の方とは異なり、労働に従事している状況とは言い難いからです。

 

 

 

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