特定商取引に関する法律について①

特定商取引に関する法律について①

 

皆さまからお問い合わせが多い、消費者契約に関する法律問題をまとめてみました。なお,統計資料や法律改正等は,総務省統計局、法務省、自治体消費者センター、各省庁のホームページ等が参考になりますので,そちらをご参照ください。 ※下記内容は一般的な内容にとどまりますので、個々の事案については当事務所は責任を負いません。ご使用は自己責任でお願いいたします。個々の事案に関する詳しい内容につきましては、当事務所までご相談ください。

 

業者と消費者との間で結ばれる契約は,自由であることが本来は原則です。

しかし,消費者は,業者と比較し,情報に乏しく,交渉力の格差もあります。そこで,消費者を保護するために昭和51年制定されたのが特定商取引に関する法律(以下,「特定商取引法」といいます。)です。

 

特定商取引法は,①訪問販売,②通信販売,③電話勧誘販売,④連鎖販売取引,⑤特定継続的役務提供,⑥業務提供誘引販売取引,⑦訪問購入といった取引をその規制対象としています。

 

ここで,①訪問販売が代表的な規制であることから,訪問販売を例に挙げて,特定商取引法の内容について説明したいと思います。

 

まず,訪問販売とは,営業所等以外の場所で行う商品,権利の販売,役務の提供のことをいいます(2条1項1号)。典型的には,消費者の住所を業者が訪問して商品を販売する場合がこれに該当します。

 

また,訪問販売には,営業所等以外の場所で呼び止めて営業所等に同行させた客に対して,営業所等で行う商品,権利の販売,役務の提供も意味します(2条1項2号)。たとえば,街頭の歩行者に声をかけ,営業所まで勧誘し商品を販売する,いわゆるキャッチセールスがこれに該当します。

 

訪問販売は,不意打ちで消費者を勧誘するものであり,消費者保護の観点から,次のような規制がされています。

 

業者は,勧誘に先立ち,氏名,勧誘目的,商品等を明示する義務があります(3条)。

業者は,契約を締結しない旨の意思表示をした者に対しては勧誘してはいけません(3条の2)。

業者は,契約の申込を受けた場合には,商品等の種類,価格,代金の支払時期・方法等,商品の引渡時期,クーリングオフ等を記載した書面を交付しなければなりません(4条)。

業者は,勧誘に際し,契約の申込みの撤回,解除を妨げるため,不実のことを告げる行為をしてはなりません(6条1項)。また,業者は,故意に事実を告げない行為をしてはならず,人を威迫して困惑させるようなこともしてはいけません(6条2項,3項)。

このように,訪問販売では,消費者を保護するために,勧誘の段階から業者に対する事前規制がなされています。